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本当の原因は何か?:コラム概要

はじめに   根拠に基づいた意思決定を行うことが、近年、分野を問わず重要視されるようになってきています。例えば、官公庁や自治体では、根拠に基づいて政策を策定すること (EBPM: Evidence-Based Policy Making) の重要性が増しています。意思決定を行う立場としては、根拠となる事象と結果となる事象の間に因果関係があるのか、それとも相関関係しかないのかは大変大きな違いです。  因果関係と相関関係に関する1つの有名な例として、チョコレート摂取量とノーベル賞の受賞者数に関する研究があります。この研究では、「チョコレートを多く摂取するとノーベル賞受賞者数が増加する」という因果関係の存在が示唆されました。この論文は、2012年に世界で最も権威のある医学雑誌の1つである New England Journal of Medicine に掲載され、世界規模で大きな論争を引き起こしました。論文では、国ごとのチョコレート消費量とノーベル賞受賞者数を調べたところ、チョコレート消費量の多い国ほどノーベル賞受賞者数が多いというデータが示されました。論争のポイントとなったのは、各国のチョコレート消費量とノーベル賞受賞者数の関係が以下のどちらの関係であるかについてです。 チョコレートを摂取すればノーベル賞受賞者は増加する(因果関係) 別の隠れた要因がそれぞれに影響を与えており、チョコレート消費量とノーベル賞受賞者数の間に見かけ上の関連性が生まれている(相関関係) 一体どちらの主張が正しいのでしょうか。読者の方には、ぜひ今の意見とこのコラム連載が終了した後の意見を比較していただきたいと考えています。  統計的因果推論 (causal...